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比嘉 (普)剛
沖縄から発信しています。どうぞよろしくお願いします。 沖縄の伝統音楽が多くの人々に愛され、多くの人々に歌い継がれ、より香り高く、より発展していくことを心から願っています。
「世界の音楽として誇れる沖縄の三線音楽」を出来るだけ多くの人々に紹介したいという願いをこめて「だれでも弾ける五線譜工工四」を出版しました。「工工四」という独特な楽譜を、誰にでも分かる世界の共通語である五線譜に表し、更に洋楽の見地から理論的に実証して、一目で三線音楽の流れが分かるようにしてあります。小学生から大人まで、初めて三線を弾く人にも、たやすく曲の流れがわかり独習しやすいように、できるだけ易しい楽譜に編集し、琉球音楽の奥深さ、優しさ、美しさ、素朴さをたくさんの方にお届けしたいと思います。
これまでの、見よう見まねを主とする三線音楽が、弾く人の感性によっては、不確実な音やリズムになることもありましたので、音楽理論にもとづいた正確な音やリズムを永久保存する必要性を強く感じると共に、多くの人に沖縄の音楽に触れてほしいと云う願いをこめて「五線譜」と「歌譜」と「三線譜」が一体になった譜を模索し「五線譜工工四」を編集しました。 五線譜は世界共通の言葉であり、多くの方々が、これを機会に、平和を愛し、武器を持たない島で生まれた琉球音楽の調べを堪能し、床の間の三線が踊り出すことを切に願っています。
初めて三線に触れる方でも、小学校で習ったリコーダーや鍵盤楽器の感覚で、色々な曲を弾く楽しみが出来ます。譜の読めない方は工工四を、五線譜が読める方(簡単な調でOK)は五線譜を見て演奏できます。又、シャープやフラット等の調子記号は1つまでの読みやすい楽譜になっています。更に三線だけでなく、五線譜だからこそ、オカリナや笛、その他、様々の楽器で表現することも可能なのです。沖縄だけでなく県外や外国の方からも独学できるという喜びの電話やメールを頂き、編集の苦労も吹き飛んだ次第です。
三線独習書「五線譜工工四」は初歩の人でも短期間に習得できるようにしてあり、三線理論の解説は勿論、開放弦の練習(弦だけをはじく)から始まり、人差し指を加えた弾き方、中指を加えた弾き方、更に小指を加えた弾き方と、順を追って懇切丁寧に指導されています。CDをバックに、楽しく練習が出来ます。
工工四(くんくんしー)とは琉球古典音楽の楽譜で、工六四(くるるんしー)ともいいます。屋嘉比朝寄(1716~75)が中国の楽譜を参考に、「屋嘉比工工四」を作ったのが最初です。楽譜の初めが「工工四…」となっている所から工工四の名称は来たようです。当時の楽譜は罫のない書き流しで、拍子、速度、声の出し切りがなく、すでに習得した人の為の覚え書きのようなもので、初心者が弾奏するのは難しく不可能なものでした。その後、色々改良が重ねられ、現在の三線譜と声楽譜が出来たのが昭和10~16年に出版された「声楽譜附野村流工工四」(伊差川世瑞・世礼国男 著)です。現在では「湛水流工工四」「安冨祖流工工四」「民謡工工四」など色々あります。従来、三線は師匠の教えのもとで、見よう見まねで受け継がれてきたため、初心者にとっては三線を弾きたくても自分で習得することが難しく、一部の人のものと思われていました。
三線譜の音には絶対的音高(音名)はありませんが音階に対する文字があり罫線の枠の中に書かれています。声楽譜も三線譜も文字は共通です。各調子とも第一弦の音は合(あい)、第二弦は四(し)、第三弦は工(こう)の文字が用いられています。他にも、才(さい)、凡(ぼん)、勺(しゃく)、合(あい)、乙(おつ)、老(ろう)、下老(げろう)、四(よん)、上(じょう)、中(なか)、尺(しゃく)、下尺(げしゃく)、工(こう)、五(ご)、六(ろく)、七(なな)、八(はち)、下八(げはち)、九(く)、の音があります。才、凡、勺は声楽譜のみに使用されています。